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福岡地方裁判所久留米支部 昭和43年(ワ)183号 判決 1971年5月17日

原告

鎌倉尚

ほか三名

被告

日本ハム株式会社

主文

被告は

原告鎌倉尚、同鎌倉喜美江に対し、各金二〇七万九、五〇二円および内金一六七万九、五〇二円に対し昭和四三年五月一九日より、内金一五万円に対し昭和四三年一〇月一八日より内金二五万円に対し昭和四六年五月一七日より右支払済まで年五分の割合による金員

原告高村徳与、同高村香に対し各金二〇八万六、六八五円、および内金一六八万六、六八五円に対し昭和四三年五月一九日より、内金一五万円に対し昭和四三年一〇月一八日より、内金二五万円に対し昭和四六年五月一七日より右支払済まで年五分の割合による金員

をそれぞれ支払え。

原告らその余の各請求は棄却する。

訴訟費用は三分して、その二を原告らの、その余を被告の負担とする。

この判決は原告ら勝訴の部分に限り仮りに執行することができる。

事実

原告ら訴訟代理人は、

被告は、原告鎌倉尚、同鎌倉喜美江に対し、各金五八四万八、四四九円、原告高村徳与、同高村香に対し、各金五八五万五、七八九円、および右各金員に対する昭和四三年五月一九日より右各支払済まで、年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告の負担とする。

との判決ならびに仮執行の宣言を求め、

被告訴訟代理人は、

原告らの各請求をいずれもこれを棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。

との判決を求めた。

原告ら訴訟代理人は、請求の原因をつぎのとおり述べた。

一、(事故の発生)

訴外田代良弘は、被告会社久留米出張所に勤務する自動車運転手であるが、昭和四三年五月一八日午後八時四〇分頃、久留米市通町四丁目一三三番地山下綿業株式会社前県道(久留米停車場線)上を、小型貨物自動車(福岡4ま一七七七)を運転し、同市通町五丁目方面から片原町方面に向けて走行中、同道路上、訴外高村良雄を同乗させ、対向して走行中の訴外鎌倉武運転の第二種原動機付自転車に、自車左前部を衝突させ、よつて、訴外鎌倉武をその頃(事故発生約一〇分後)久原外科病院において、訴外高村良雄を昭和四三年五月二三日久留米大学附属病院において、それぞれ死亡するに至らせた。

二、(責任)

被告は訴外田代良弘運転の右自動車を所有し、自己のために運行の用に供していた者であるから、自動車損害賠償保障法三条により、右事故による損害を賠償する責任がある。

三、(損害)

原告らは右事故により、つぎのとおり損害を蒙つた。

(一)  (原告鎌倉尚、同喜美江関係)

1  訴外鎌倉武の喪失利益に対する損害賠償請求権を相続による取得した各1/2あての請求権各金四二五万〇、〇〇四円(円未満切捨)

訴外鎌倉武は、原告鎌倉尚、同喜美江間に、昭和二三年一二月二〇日出生した長男であり、本件事故当時満一九才であつた。同訴外人は高等学校卒業後、訴外株式会社栄電社に勤務し、本件事故当時月額平均三万〇、五八一円の収入がありその後四四年間稼働し得た筈である。同訴外会社の給与体系は、別表一記載の昭和一四年度労働大臣官房賃金構造基本統計調査報告による年令別給与体系を下廻らないから、同表を基準として、別表二記載のとおり右稼働可能期間内各年令時の平均賃金より、必要生活費を四割としてこれを差引き、さらにホフマン式計算方法により中間利息を控除した額の総合計が、訴外鎌倉武の喪失利益である。

2  慰藉料各金二〇〇万円

訴外鎌倉武は、原告鎌倉尚、同喜美江間に出生した唯一の男子であり、本件事故により同訴外人を失なつたことによる精神的打撃は測り知れないものがある。これを慰藉するには右金額を必要とする。

3  弁護士費用 各金一〇四万三、九四五円(円未満切捨)

内訳 手数料 各金三二万三、二七〇円

成功報酬 各金七二万〇、六七五・五円

(ただし、勝訴利益の一割五分)

右は福岡弁護士会報酬規定の範囲内の金額である。

4  右損害金合計各金七二九万三、九四九円より、保険会社より支払を受けた保険金二八九万一、〇〇〇円を二等分して、各金一四四万五、五〇〇円を差引き、残額各金五八四万八、四四九円

(二)  (原告高村徳与、同香関係)

1  右原告両名が相続により取得した訴外高村良雄の喪失利益に対する損害賠償請求権各1/2あて各金四二四万七、七七〇・五円

訴外亡高村良雄は、右原告両名間に昭和二三年七月一四日出生した二男であり、本件事故当時満一九才であつた。同訴外人は訴外鎌倉武と中学校当時同級生であり、かつ特別親密な友人関係を保つて親交を続けていたものであるや、中学校卒業後、訴外九州ゴム工業株式会社(後に訴外日本ゴム株式会社に吸収合併された。)に勤務し、本件事故当時月額平均二万九、九二八円の収入があり、同訴外会社において、将来を嘱望されていた人材であつた。そして、同訴外人はその後四四年間稼働し得た筈であり、別表一記載の昭和四一年度労働大臣官房賃金構造基本統計調査報告による年令別給与体系を下廻らないから、同表を基準として、別表三記載のとおり稼働可能期間内各年令時の平均賃金より、必要生活費を四割としてこれを差引き、さらにホフマン式計算方法により中間利息を控除した額の総合計が、訴外高村良雄の喪失利益である。

2  慰藉料 各金二〇〇万円

右原告両名は訴外高村良雄の将来を楽しみにしていたのであるが、本件事故により同訴外人を失つたことによる精神的打撃は測り知れないものがある。これを慰藉するには右金額を必要とする。

3  弁護士費用 各金一〇四万五、二一九・五円

内訳 手数料 各金三二万三、六三四円

成功報酬 各金七二万一、五八五・五円

(ただし、勝訴利益の一割五分)

右は前記報酬規定の範囲内の金額である。

4  右原告両名は、保険会社より支払を受けた保険金二八七万四四〇〇円を二等分して、各金一四三万七、二〇〇円を、右(二)1、2の各合計金額より差引いた残額に右(二)3の各合計金五八五万五、七八九円

四、よつて、原告鎌倉尚、同喜美江はそれぞれ各金五八四万八、四四九円、原告高村徳与、同香はそれぞれ各金五八五万五、七八五円および右各金員に対し、本件事故発生の翌日より右支払済まで年五分の割合による各遅延損害金の支払を求める。

被告の抗弁に対する答弁として

抗弁一、二項は争う。ただし、各保険金支払の事実は認める。

本件事故は、訴外田代良弘が先行車追越のため、道路センターラインを越え、対向車線に入つて走行したため、同車線を走行中の訴外鎌倉武運転の第二種原動機付自転車に衝突して惹起されたものである。

なお、本件事故地点附近は、舗装部分だけが運行の用に供された道路であり、訴外中村、同田代が走行する際、その左側に駐車中の車両があつたというのは虚構の事実である。また訴外鎌倉武が高速度で走行していたとの点についても凹凸の激しい道路状況のもとでは考えられない。

と述べた。

被告訴訟代理人は請求原因に対する答弁として

請求原因一項の事実は認める。

同二項の事実中、被告に賠償義務があるとの点は争う。その余の事実は認める。

同三項(一)の事実中、訴外鎌倉武の喪失利益に対する損害賠償請求権の相続による取得分が各金四二五万〇、〇〇四円であること、同訴外人の労働可能年数が四四年であり、その期間中の必要生活費が四割であるとの点は否認する。同訴外人が本件事故当時、平均月額三万〇、五八一円の収入を得ていたとの点は不知。その余の事実は認める。

同項(一)2の事実中、訴外鎌倉武が原告鎌倉尚、同喜美江間に出生した唯一の男子であることは認める。その余は不知。

同項(一)3の事実は不知。

同項(一)4の事実中、支払われた保険金の点を除き否認する。

同項(二)1の事実中、訴外高村良雄の労働可能年数が四四年でありその期間中の必要生活費が四割であるとの点は否認する。同訴外人が本件事故当時、平均月額二万九、九二八円の収入を得、訴外九州ゴム工業株式会社において、将来を嘱望されていた人材であつたとの点は不知。その余の事実は認める。

同項(二)2、3の事実は不知。

同項(二)4の事実中、支払われた保険金の点を除き否認する。

同四項は争う。

と述べ、抗弁としてつぎのとおり述べた。

一、本件事故は訴外田代良弘にとり不可避の事故であつた。即ち、本件事故地点は、当時道路事情悪く、訴外鎌倉武走行車線の左側はバラス敷となつており、訴外田代運転の自動車に先行する訴外中村運転の自動車が時速約四〇キロメートルで走行中、本件事故地点附近において、進路左側に停車中の自動車が認められたので、これを右廻して前方に出ようとしたところ、訴外鎌倉武が前記バラス敷を避けるためか、訴外中村、同田代の進行方向右側に大きく右廻して、訴外中村運転の自動車の前方約五〇メートルを、時速約六五キロメートルから約七〇キロメートルの高速度で、道路センターラインを約三メートルも超え訴外中村運転の自動車走行車線上まで蛇行して来そうな感じで突進して来たので、同訴外人は急拠左に転把して、訴外鎌倉武運転の原動機付自転車との衝突を回避したところ、前記のとおり訴外中村運転の自動車に後続して追随する訴外田代良弘運転の自動車の前面に突込んで来たので、同訴外人はあわてて右へ転把して回避しようとしたが間に合わず、右道路上センターライン上において衝突したもので、訴外鎌倉武運転の原動機付自転車は、訴外中村が急拠左に転把するまで、同訴外人の自動車の陰に隠れて発見できなかつたのである。従つて、本件事故は訴外鎌倉武が交通法規を遵守し、対向車両の動向に注意して適宜の速度と方法により運転走行すべき注意義務があるのにこれを怠り、自己の走行車線を進行しなかつたうえ、高速度で対向車線上に突進して、折柄進行中の訴外田代運転の自動車の優先通行権を侵害した結果、惹起したもので訴外鎌倉武の不注意に基因する事故である。

なお、同訴外人運転の自動車には、構造上の欠陥または機能の障害はなかつた。

二、仮りにそうでないとしても、本件事故は、訴外鎌倉武の過失が競合して発生したものである。

本件事故発生地点の道路状況は、バラス敷の非舗装部分か、螢川町方面から日吉町方面に向う道路との交差点において幅約六メートル、柳原町方面から日吉町方面に至る道路との交差点より、東方約三〇メートルの地点で、幅約一一・五メートルあるが、東進する車両は、この非舗装部分を、西進する車両はアスフアルト舗装上を、それぞれ進行すべきものである。従つて東進する車両にとりこの非舗装部分が通行するに困難であるとしても、アスフアルト舗装装上を通行するばあい、当然優先通行権を有する西進車両の進行を妨げない適宜の速度と方法により通行すべきであるにも拘らず、訴外鎌倉武は右注意義務を果さず、前記のとおりの高速度で暴走して突進して来たため、本件事故が発生したものであるから、この点損害額から過失相殺によつて相当程度減額したうえ、原告鎌倉尚、同喜美江に対する金二八九万一、〇〇〇円、原告高村徳与、同香に対する金二八七万四、四〇〇円支払のあつた保険金を控除すべきである。

と述べた。〔証拠関係略〕

理由

一、原告主張の請求原因一項の事実、および同二項の事実中被告に賠償責任があるとの点を除き、その余の事実は当事者間に争いがない。

二、〔証拠略〕によれば、東西に通ずる本件事故地点附近の道路(久留米停車場際)状況は、やや広い北半分がバラス敷の非舗装部分であり、やや狭い南半分がアスフアルト舗装がなされて、その区間は西端が福原町方面より日吉町方面に通ずる交差点に、東端が螢川町方面より日吉町方面に通ずる交差点に達する約一七四メートルであり、本件事故地点附近の道路の幅員は約二〇・五メートル、その中舗装部分が約九メートル、約五二メートル西方が交差点であること、本件事故直前、訴外田代良弘は、同僚の同中村茂海運転の自動車より、約一〇ないし二〇メートルの車間距離を保持して、時速約四〇キロメートルで右アスフアルト舗装部分を西進追随していたこと、本件事故地点附近道路南側には一台の自動車が駐車していたため、訴外中村は僅かに右に転把して走行したところ、訴外鎌倉武運転の原動機付自転車が、時速約六〇キロメートルの速度で、訴外中村運転の自動車進路前方約五〇メートルの地点に対向走行して来たので、急拠左に転把して衝突を回避し離合したこと、訴外田代は訴外中村運転の自動車の走行どおり、これに追随して前記車間距離を保持したまま、右にやや転把して走行直後、訴外中村運転の自動車と離合した訴外鎌倉武運転の原動機付自転車が、やや左前方より直前に相当な速度で突進して来たため、訴外田代良弘はただちに急制動の措置をとると同時に、道路右側のバラス敷非舗装部分に突込んで、衝突を回避しようとしたが、訴外鎌倉武も非舗装部分に突込んで来たため、道路上ほぼ中央の舗装部分と非舗装部分の境界附近で激突したものであること、道路のほぼ北半分に該当する非舗装部分も道路の一部であつて、左側通行を原則とする車両にとり、本来東進車両の通行の用に供される部分であり、道路のほぼ南半分に該当するアスフアルト舗装部分は、西進車両の通行の用に供される部分であるが、事実上殆んどの東進車両は右非舗装の部分を走行することなく、走行容易なアスフアルト舗装部分を走行している状況にあつたこと、訴外鎌倉武は同高村良雄と中学校当時同級生であり、親しい友人関係にあつて、本件事故当時、同高村良雄を誘つて他の友人宅に赴き、その帰途同訴外人を右原動機付自転車に同乗させて走行中であつたこと、が認められ〔証拠略〕

右事実によれば、訴外鎌倉は東進車両が本来通行すべき道路左側の非舗装部分を走行することなく、西進車両が進行する道路右側のアスフアルト舗装部分を走行したのであるから、このような場合訴外鎌倉武としては、特に対向する西進車両の有無およびその動静を注視し、西進車両の通行を阻害しない限度において、適宜の速度と方法で走行すべき注意義務があるのにこれを怠り、前記高速度で対向車線のあるアスフアルト舗装上を走行した過失があるものというべく他方訴外田代良弘にも、東進する殆んどの車輪がアスフアルト舗装上を走行していることを考慮して、東進する対向車両の有無およびその動静を注視し、アスフアルト舗装部分の右寄りを走行する際、特に前方を注視して適宜の速度と方法で走行すべき注意義務があるにも拘らずこれを怠り、前記のとおり漫然訴外中村運転の自動車に追随してやや右に転把して走行した過失があるものというべく、従つて本件事故惹起に対する過失割合は、訴外鎌倉武、同田代良弘いずれも同等とみるのが相当である。

そして、訴外鎌倉武は、前記認定のとおり同高村良雄と親父があり、本件事故当時も他人の友人宅からの帰途の相乗りであつた事情に徴すれば、同高村良雄は本件事故による被害者の一人であるが、同鎌倉武と一体としての被告者側の一人であつて、過失相殺の点においては、同訴外人の過失をもつて右被害者側と過失とするのが相当である。

三、(一) 同三項の事実中、訴外鎌倉武が原告鎌倉尚、同喜美江間に昭和二三年一二月二〇日出生した長男かつ唯一の男子であり、高等学校卒業後訴外株式会社栄電社に勤務し、訴外高村良雄は原告高村徳与、同香間に、昭和二三年七月一四日出生した二男であり、中学校卒業後訴外九州ゴム工業株式会社(その後訴外日本ゴム株式会社に吸収合併された。)に勤務し、右訴外人両名いずれも本件事故当時満一九才であつたこと、昭和四一年度労働大臣官房賃金構造基本統計調査報告による年令別給与体系が別表一記載のとおりであること、自動車損害賠償保障法により原告鎌倉尚、同喜美江に対し、金二八九万一、〇〇〇円の原告高村徳与、同香に対し金二八七万四、四〇〇円の各保険金の支払があつたことは、いずれも当事者間に争いがない。

〔証拠略〕によれば、本件事故当時訴外鎌倉武は金三万〇、五八一円の同高村良雄は金二万九、九二八円の各平均月収を得ていたことが認められ、本件事故当時、満一九才の男子の平均余命は約七〇才であること公知の事実であり〔証拠略〕によれば、右訴外人両名いずれも健康かつ勤務成績も優秀な人材であつたことも認められるので、これらの事実を綜合すると同訴外人両名は、特段の事情ない限り、その後少くとも四四年間即ち六三才まで労働可能であつたものと推認される。

〔証拠略〕を綜合すると、同訴外人両名は、右労働可能期間、特段の事情がない限り少くともそれぞれ別表二、三記載の年令別平均月収を得、その間同訴外人両名の必要生活費割合は、その収入の四割とみるのが相当であり、ホフマン式計算法により法定利息年五分の割合による中間利息を控除した純益算出明細および総純収入はそれぞれ別表二、三記載のとおりであり、訴外鎌倉武の得べかりし利益の総計は金八五〇万〇、〇〇九円、同高村良雄のそれは金八四九万五、五四一円であり、成立に争いない甲第一、二号証により原告鎌倉尚、同喜美江が訴外武の、原告高村徳与、同香が訴外良雄の各相続人として、原告主張どおり右各得べかりし利益の喪失に対する各損害賠償請求権の各二分の一宛相続により取得したことが認められる。

(二) 〔証拠略〕によれば、原告らか本件事故によりその子息を喪失したことによる精神的苦痛を慰藉するには、原告主張どおりの金員を要するものとするのが相当である。

(三) 〔証拠略〕によれば、原告らは原告訴訟代理人に対し、本件訴訟提起に際し、その主張どおりの手数料を支払い、成功報酬として勝訴利益の一割五分を支払うことを約したことが認められる。

四、右三(一)、(二)の各損害金から、訴外鎌倉武の過失五割に相当する分を過失相殺し、その残額からそれぞれ支払われた各保険金を一部弁済として充当して差引いた結果得られた残額は、原告鎌倉尚同喜美江につき各金一六七万九、五〇二円、原告高村徳与、同香につき各金一六八万六、六八五円となり、さらに本件事故慰藉、訴訟の難易等考慮して、原告らの弁護士費用中各手数料中各一五万円、各成功報酬中各二五万円を、本件事故による損害賠償請求に関する原告らの損害として、被告に弁償せしめるのが相当である。そして被告は弁護士費用を除く原告らの各損害金支払につき本件事故発生日より、原告らの損害として被告の弁償すべき弁護士費用中各手数料相当の損害金につき、本件訴訟提起のときより各成功報酬相当の損害金につき、本判決言渡のときより遅滞に陥つているものというべきである。なお本件訴訟は昭和四三年一〇月一八日提起されたこと記録上明白である。

五、よつて、原告らの各請求中、原告鎌倉尚、同喜美江につき、各損害金二〇七万九、五〇二円、および各内金一六七万九、五〇二円に対し、本件事故発生日の翌日である昭和四三年五月一九日より、各内金一五万円に対し、同年一〇月一八日より、内金二五万円に対し、本判決言渡日である同四六年五月一七日より、右支払済まで年五分の割合による遅延損害金を、原告高村徳与、同香につき、各金二〇八万六、六八五円の各損害金、および各内金一六八万六、六八五円に対し同四三年五月一九日より、各内金一五万円に対し同年一〇月一八日より、各内金二五万円に対し、同四六年五月一七日より、右支払済まで年五分の割合による各遅延損害金の支払請求の限度において、これを認容し、その余の各請求はこれを棄却する。なお、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条九二条勝訴の部分に限り仮執行の宣言につき同法一九六条を、それぞれ適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 相良甲子彦)

別表一

<省略>

別表二(訴外鎌倉武分)

<省略>

別表三(訴外高村良雄分)

<省略>

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